ワークエンゲージメントとは?

昨今、社内活性化のキーワードとしてよく取り上げられる『ウェルビーイング』と『エンゲージメント』。
ただこの2つのキーワードの意味合いはかなり異なります。
『ウェルビーイング』の5つの構成要素は、
・ポジティブな感情
・エンゲージメント
・良好な(他者との)関係性
・人生の意味や仕事の意義の明確さ
・達成感
『エンゲージメント』の3つの構成要素は、
・熱意
・没頭
・活力

『ウェルビーイング』というのは、その意味する通り「幸福な状態」という意味合いで使われており、世界保健機構(WHO)の憲章では「肉体的・精神的および社会的な健康状態」として表されています。

したがいまして、近年聞かれるようになった「ウェルビーイング経営」とは、非常に高いレベルでの従業員の公私含めた満足度が要求されているということが分かります。

一方で『エンゲージメント』、特に「ワークエンゲージメント」というのは、仕事・職場において、従業員が、身心ともに活力に溢れ、充実した働き方をしているか? といったことが問われることになります。

先駆的な企業を除けば、まずこの「ワークエンゲージメント」を高めることに注力すべきであると思いますが、ではこの「ワークエンゲージメント」を高めることで、どういったメリットがあるのでしょうか?

一般的には以下のようなことが言われています。

・業績の上昇
エンゲージメントが向上することで従業員のモチベーションが高まり、モチベーションが上がれば生産性も上がり、業績の向上も期待できる。

・顧客満足度アップ
エンゲージメントが向上すると、従業員のモチベーションが促進されることで、組織や製品に対する愛着が強まり、顧客のニーズがより反映されやすくなり、ニーズに合った商品やサービスを生み出しやすい状況になる。

・職場の雰囲気が良くなる
エンゲージメントが向上し、従業員が働くことに積極的になることで職場に活気が生まれます。職場環境が改善されることで意見交換もし易くなり、より創造的な仕事に繋がります。

・離職率の低下
エンゲージメントが向上し従業員が働くことにやりがいを感じるようになれば、職場の雰囲気が良くなり、従業員の会社への信頼度が高まり、会社への貢献意欲が増え、離職率の低下に繋がります。

では、「ワークエンゲージメント」を高めるにはどうしたら良いのでしょうか?

エンゲージメントの専門的な見地からは、
「相互理解を高めるコミュニケーションの場を作る。」
「グループワークで共通課題に取り組む機会を増やす。」
「労働負荷の偏りやストレス軽減のための業務の見直し」
「活き活きと働ける職場環境づくり」
などがありますが、
一方で私は、事業が成長していくにしたがって従業員のエンゲージメントが高まってくるという実体験をしています。

どういうことかと申しますと、事業が成長している状態では、
・自身の取り組みが利益に貢献しているという実感が従業員にある。当然自身の収入増に対する期待感も高まります。
・先行投資による新しい事業やアイデアを実行することが可能となり、みんなで将来的な希望を抱いて創造的な業務に取り組むことができる。
・企業として、従業員の育成に対して資金的・精神的余力を持って取り組むことができる。
といったことが生じてきます。

つまり、事業成長の状況下では、
従業員は自身の将来に対しても金銭的・社会的欲求や自己実現のための欲求において期待感を持つことができ、かつマルチタスクで身体的にも精神的にも余裕のない働き方になることもなく、企業側もゆとりある人材育成に取り組むことが出来るのです。

もちろん「ワークエンゲージメント」を高めることで事業が成長するというプロセスは確かなものではあるのですが、現実的には、経営者も従業員も長い時間をかけて段階的に高めていくといった精神的余裕がなく、結果事業成長に至らず、従業員間のコミュニケーションが以前より少し良くなったという程度の自己満足で終わってしまう可能性も有り得ます。

それ故、エンゲージメントを高めるためには、それ自体を高める行動とともに、並行して事業成長を実現していかなければならず、前提としてその障壁となっている経営課題の解決を並行して進めていかなければならないケースも、企業サポートの立場から申せば非常に多いのが現実です。

そういう意味では、健康経営を学ぶ以前に30年近く経営側の立場で様々な難局を乗り越えてきたことが今非常に役に立っています。

「社内の雰囲気が良くない。」とか「従業員の活気がない。」といった課題はもとより、
「新規事業を起こしたいが何をして良いのか分からない。」「既存事業が頭打ちで将来が見込めない。」「事業承継したが従業員がついてこない。」等々の根本的な経営課題を抱えておられる方々におかれましては、ご相談だけでも結構ですので、是非一度お声がけください。
まずは方向性を定める羅針盤をご提示させていただきたいと存じます。