競争力を高めるのはどういう会社か?
少し前になるが6月23日の日経のアンケート記事において、
「今後、競争力を高めるのはどういう会社ですか?」というものがあった。
結果は、
(1位)多様な人材が集まっている
(2位)データ活用に長けている
(3位)業務の自動化/省力化が進んでいる
という順位。
711社からの回答とのことで主に大手企業が対象の調査ではないかと思うが、
1番目のテーマを中小企業にも当てはめると以下のようなことになろうと思う。
「多様な人材の確保」
変化が加速する現代において、今までの企業風土や事業体を変革する力が必要ということではないだろうか。これは中小企業においても同様で、従来の組織や事業を維持していくだけでは将来の成長は見えてこない。
ところが特に日本の中小企業においては保守的な思考の強いところが多く、異色な人材を採用しても余り上手くいかないケースも多々見受けられる。
鳴り物入りでMBAを持った人材を採用できても、そのスキルを全く活かせないといったことはよく有る話である。結局企業側もマネジメントの方法が分かっておらずに本人を失望させてしまうのである。
そもそもマネジメント力やコーチング力の弱い中小企業もまだまだ多いのが実態で、受け皿も無いのに背伸びをして人選びをすると必ず失敗することになる。
それでは中小企業において多様な人材の採用はどのようにすべきであろうか?
まずは自社の企業力、組織力を十分に見極めて、その人のパフォーマンスが最大限活かせることを前提として、身の丈に合った高望みではない採用をしていただくことが必要である。
例えば圧倒的に男性が多い職場であれば、女性社員の比率を増やしてみてはどうだろうか? 明らかに企業風土に変化は生じるし、事業開発や労務管理においても新しい発想が産まれてくるはずである。男性主体の業種だからとか、女性には難しい仕事だからという思い込みは、実際に採用してみると得てして間違っていることに気づくことが多い。
もちろん女性の活躍を促すための環境づくりは必要になる。
それをこの場で展開するのはやめておくが、実は経営者の思い込み(固定観念)が企業の成長を阻んでいるということを認識しておく必要があるのではないだろうか。
企業改革によく使われる「イノベーション」という言葉。
このイノベーションにおける最大の障壁が、固定観念(囚われた心)であることは十分認識しておきたい。