『健康経営』で何が変わるのか?

『健康経営』は、「働き方改革」とも密接な関係にあります。
ただ中小企業においての現実は「時短することで売上に影響するのではないか?」とか「社員も少なくて他のことに時間も労力もかけられない!」といった不安を抱えられているところも多いのではないでしょうか。

それはそれで最もなことではありますし、私も十数人の小さな企業の経営者もしていたことがありますので理解はできます。ただ一方で「このまま続けていても生産性が上がりそうに思わない」「資金も無いので古い設備の入れ替えもままならない」「従業員は高齢化していくし応募しても若い人は来ないので将来の展望が見えてこない」といった悩みを抱えたままで日々過ごしてはいないでしょうか?

逆に申せば、今のご時世において生産性を上げて事業を継続していくのは想像以上に簡単なことではなく、経営のやり方を根本から見直して、様々な施策を仕掛けていくことで、ようやく状況を改善させることが出来るというのが現実でしょう。

そういう意味では『健康経営』の導入は、考え方を変えて組織風土の活性化を図るという、いわば即効性のカンフル剤ではなく緩効性の漢方薬と言えるかもしれません。
『健康経営』は企業風土や従業員のモチベーションといった土台の部分に薬を注入しますので、正しく続けていけば確実にしっかりとした土台が出来ていきます。

また、健全な組織風土という土台無しに、「何か新しいことを考えてください!」「ここはみんなで協力して取り組もう!」などと言ってみても、従業員がついてくるはずもありません。

『健康経営』の導入により、明らかに従業員は、「会社は我々のことを考えてくれている。」と受け取ってくれますし、実際メンタル面においても前向きとなって自発的行動が出てくるようになります。

よく「不燃性社員」や「難燃性社員」などといった社員の比喩がされますが、まずは従業員が自発的に行動するような環境を整えることが企業にとっては必要なことなのです。