危機に耐えるためには健康的な経営を!
新型コロナウイルスの流行によって観光や飲食など多くの業種が打撃を被っています。
今後は今影響を受けていない他の業界にも徐々に波紋が拡がっていくと考えられます。
また医療専門家からもワクチンの開発期間を考えると1年以上の長期戦になるとの見方も出ています。
そのため多くの経済学者からはアフターコロナではなくwithコロナ、つまりコロナと共存していく社会に変わっていくことになるとも言われています。
一方で過去を振り返れば、経済は数年~10年ごとに危機的な事象に見舞われています。
1970年~1980年は中東情勢の不安定から2回のオイルショック
1985年はプラザ合意による国内輸出企業を中心とする不況
1990年からのバブル崩壊
1995年の阪神淡路大震災
2001年の米同時多発テロによる経済的ショック
2008年のリーマンショックによる金融経済の崩壊
2011年の東日本大震災
というように、数年~10年の間では必ず大きな事象による経済的ショックが起きています。
ですので今回のコロナウイルスについても、 時の流れを俯瞰で捉えると別段特異な状況ではないとも言えるのです。
つまり10年くらいの間には何等かの経済的危機が必ず来るものと考えて経営をしなければならないということです。
もちろんどのエリアのどの業界に大きな打撃があるかは分かりませんが、 少なくとも上記の事象は結果的に強弱はあれど広く様々な業界に大きな影響を及ぼしました。
ちなみに今コロナショックの最中ですが明日大きな災害が来ても皆さんの会社は耐えられるでしょうか?
新型コロナでアップアップの状況なので更なる災害など考えたくないと言われる方も多いかと思われますが、 明日なのか1年後、5年後なのかは分かりませんが、何等かの経済的ショックを及ぼす事象が起きない保証はありません。
私は知り合いの中小企業の社長さんに固定費の最低でも3ヶ月分以上、極力半年分の経常利益は出すようにしておかなければダメですと話しています。(本当は1年分の固定費に該当する利益が望ましいですが)
社員の給与や家賃、(及び借入がある場合はその返済)などの費用が月500万円であれば、 年間最低でも1500万円、極力3000万円の利益が出ている必要があるということです。
「うちは小さいのでそれは厳しい」と言われるかもしれませんが、これは小規模事業者の経営においても同様です。
個人事業主であれば自身が破産すればそれで済みますが、少なくとも従業員を雇っている限りは、月額200万円の固定費であれば年600万円以上の年間利益が出る構造になっていないと、中長期での事業継続は難しいと考えます。
松下幸之助氏や稲盛和夫氏が売上高経常利益率は最低10%必要とされていたのも、開発費などが必要ということもありますが、大きな危機に対して従業員を守っていく必要があるからです。
逆に大企業になってしまえば資金も潤沢になってきますので、最悪蓄えを取り崩すこともできますが、 中小企業こそ余力を持っておかねば、直ちに従業員を路頭に迷わせることになります。
小規模事業者ではそんな余裕はないと言われる方も多いと思いますが、
少なくとも法人として従業員を雇って経営している限りは、経営者としてそこはしっかりマインドしておかねばならないことと言えるでしょう。
現在のような厳しい状況下で、一定の利益を確保していくためには、付加価値(粗利益)の向上と徹底的なコスト見直しを多面的に行うことが必要です。
今取り急ぎは助成金や融資で持ちこたえることが必要な企業もあるでしょうが、その先のためには自社の収益構造を見直す好機と捉えてしっかり取り組むことが必要になります。