増える会社承継の引継ぎサポート
会社承継のサポートに関する相談が増えてきています。
それもそのはずで、現在中小企業においては70代経営者の実に約4割が後継者が不在と言われています。
(ps.一般的には事業承継と言われますが、会社の引継ぎなので、あえて会社承継としています。)
一方で、会社を引き継ぐには、
「自身の子供など親族に引き継ぐ」「社員の中から適任者を選考して引き継ぐ」「外部から経営者を呼び寄せる」「M&Aで他社に引き継ぐ」などのパターンがありますが、
そのいずれの選択肢もなく、廃業していく中小企業も実は年々増加の一途を辿っています。
(2019年43,348件⇒2020年49,698件/東京商工リサーチ)。
そしてその廃業理由としては、43.2%の経営者が何等かの理由で会社承継の意向がなく、29%の経営者が引き継ぐ人がいない(後継者不足)のためとなっており、24.4%が事業の将来性が見込めないといったように続きます。
(日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」2020より)
そういった状況下で、ご相談が多いのはやはり親族間での承継の場合です。
特に親子というのは、似たところがある一方で考え方が異なり、何かと衝突したり、逆に遠慮がちになるケースも多く、社員から選考する場合や外部からの雇い入れのように、駄目なら首をすげ替えるといったことも簡単にはできません。
先代としては、今まで創り上げてきた会社の良き風土や強みを承継してもらいたいのですが、子供のほうは得てして「親と同じことはしたくない」とか「新しいことにもっと取り組まないと」と思いがちで、上手くいかない場合は、すったもんだした挙句に高齢の先代が返り咲くといったこともよく聞く話です。
また、しばしば見受けられるのが引き継いだ後に二頭政治になってしまい、従業員が振り回されるケースや、ベテラン従業員が新社長と合わずに辞めていき貴重なノウハウまでも流出してしまうといったこともあります。
原点に立ち返りますと、会社の承継で最も重要なポイントは、まず事業体の根幹となる企業理念の承継がしっかりと出来ているかどうかということです。
中小企業においても企業理念を定めているところは多くなりましたが、実際にヒアリングに伺ってみますと、後継者がその理念についてあまり腹落ちしていない場合が意外に多いものです(表面上では引き継いでいるように振舞っておられますが・・・)。
これは、特に親族の場合に顕著で、企業理念のような経営哲学的な話を改めて二人で直接話し合う機会が取りづらく、この承継上一番重要なことが引き継がれないまま後継者がトップとなっているケースが多々見受けられます。
その結果として、先代と後継者との間での相互不信が続き、社内がぎくしゃくすることで、従業員の退社も発生することになります。
そのため我々第三者が入ってお二方の考え方の擦り合わせをしていくことが必要になるのですが、腹落ちしないところは何処が納得できないのか? どこまでが理解できているのか?等々、繰り返し対話をすることで大半の部分が擦り合わせにより納得されていくことが可能です。(そこはやはり親子の血縁というもので、根底に流れている思考にはかなり共通する部分があるのです)
そして最低限、企業経営の土台となる理念が後継者にしっかりと引き継がれることにより、その後起こってくる様々な問題のほとんどは表層的な問題であり、お互いに理念に立ち返ることで解決に導きやすくなります。
現在雇用している従業員のことを考えると、簡単にM&Aに飛びつくことも憚られ、やはりしっかりと承継をしたいと考えておられる経営者の方は多いと思います。
会社の承継でお悩みの方は是非一度ご相談ください。